内向型人間の生きる道

内向型人間の生き方として考察した事を書いています。

旧グッゲンハイム邸物語読了。ムカついたり、共感したりと忙しい本だった。

神戸の塩屋という場所は自分が住んでる場所から電車で行ける距離であるが、全く言った事がない場所だった。そしてそこには外国人居留地などこんなにも豊かな文化があるとは知らなかった。

この本を読んでいてまず感情が高ぶったのは旧ジョネス邸をはじめとする文化財保護の軽視する日本についてだ。日本はヨーロッパみたいに文化財として価値があれば保護するという感じではなく、持ち主至上主義であり持ち主のいこうがあれば簡単に貴重な文化財が高層マンションに変身してしまう。もちろん、これは住民の意識の問題もあると思う。目に見えない価値よりも分かりやすい便利さを追い求める日本人には心底うんざりする。ビジネスに媚び売りすぎだろう、と。それに観光の側面から考えても、海外は日本にしかない価値を見に来たのであって文化財を保護する方が観光にもプラスであろう。古き良きものを大切にしない場所に文化は存在しないし、その国の個性も存在しない。

それにしても著者の森本アリさんとグッゲンハイムとの結びつきはなるべくしてなったような運命を感じる。ベルギー・日本のハーフであり、母がステンドグラス職人、父が古き良きものを愛する日本通、大学を芸術文化溢れるベルギーで過ごし、音楽に精通している事もそう。てゆうか世の中に出てくる人はみんななんらかしらの自分の経験と知識が上手く世の中と結びついた人が多い気がする。そして縁が結びつくというか。

印象的だったのはご本人自体が自分は受け身だという事と物事にはまり込みすぎない性格だという事。それだから目線がフラットであり、グッゲンハイムを様々な利用スペースとして使えるようになったんだと思う。来るもの拒まず、去る者追わずみたいな。

また塩屋の街づくり委員会で高齢の方の人が塩屋の古い街並みを一層しようとしている人との場面も印象出来だ。中高年だから古い街並みが大事なのかと思いきやむしろそういった人の方が土地開発に積極的なのである。中には暴言を吐く人もいてなおかつ古い街並みを残そうという人は森本さんただ一人。そういった中で会議のスムーズな運営のための規則を作り、反対派とやりあう森本さんはすごいなと思った。

その他にも塩屋プロジェクトの事などまちづくりのヒントが書かれているので興味ある人はぜひ。

今では様々な人が足しげく通い、住むようになった塩屋、今度訪ねてみようかなと思う。