内向型人間の生きる道

内向型人間の生き方として考察した事を書いています。

黒沢 清監督の講演会に行ってきた。

京都精華大学で行われた黒沢 清監督の講演会に行ってきた。最近の黒沢監督の映画は正直、ダメな作品が多いと思うけど、それでも893taxi、ニンゲン合格、蛇の道、神田川淫乱戦争、叫など大好きな作品がたくさんある監督なので行って損はないと思いはるばる京都に来た。会場は山の上の方にあり、芸大らしく何かの製作している学生が多く、とてもいい雰囲気だった。(黒沢監督もそこをおっしゃられていた)。監督は時折、村上春樹的な軽妙なユーモアを混ぜながら、幾多の映画監督が映画にフィクションを持ち込んできたかを例を挙げて、語っていた。

【工場の出口】

まず、映画の起源はリュミエール兄弟工場の出口から始まっていると述べていた。そこには大量の人が工場から出ていき、馬車なども出てくる。そこには着飾った女工やカメラ目線など明らかにカメラを意識ている風な人が出てくる。そこにはただの何かを映したのではない、演出の意図のあるショットが存在していたと監督は語る。まず、あんな大量の人が出てくるわかがないと。これは確かにそう思った。また大量の人が出てくる中での馬車が出るタイミングも最高だった。

この後、ヒッチコックのサイコのシャワーシーンやペールライダーの反撃シーン、ジョーズの冒頭の男女のかけっこ、小津の風の中のめんどりの階段落ち、など理屈に合わない映画のシーケンスにツッコミをいれ、映画監督が現実というショットを重ねて、映画という虚構を作ってきた事を物語る。ここらへんは黒沢ファンなら黒沢監督の本で読了済みだろう。

【アニメは映画ではない】

これは強調しておっしゃられていた。アニメは物語を効率的に語るのにはいい、と。その理由は詳しくは聞けなかった。自分が思うにアニメは映画と違い、虚構から虚構を作るのであり、映画は現実から虚構を作る、その違いはあると思う。映画の場合、作者の意図と異なる物が映像に入り込んでくる可能性があるがアニメは完全にコントロールされた状態なんじゃないかなぁと。最近、気に入ったアニメは「モアナと伝説の海」であり、アナ雪よりいいと言っていた。

【映画の危機】

映画がフィルムから、デジタルに変わる事や様々なメディアがある中で映画が今後、生き残っていく事は厳しいんじゃないか、と言っていた。かなり危機感を持っているようだった。

最後に2、3質問が出ていたのだけどそこからアメリカ映画がやはり好きだという事、アメリカ映画を日本の土壌でやりたいとおっしゃっていた。そこも一貫して変わらないようだった。